10月6日正午




仄暗い水の底から、という映画をきっかけに集まって仲良くなったことも、はるか前のぼんやりした出来事に感じます。わたしの大学生活をいつもより楽しくしてくれるみんなと、京都日帰り旅行にいきました。


台風のなか京都にいくのに、わざわざ奈良までいってレンタカー。スピッツを聞きながら、宇治に到着して、雨の中橋をかけ渡ったり。茶そばたべたり抹茶ソフトクリームたべたりして、平等院はいかずに清水寺の胎動めぐりを目指すも、大魔王のひやひや運転と大雨に頓挫して、ずいずい北に北に進んで宝泉院に。予備知識もなにもなかったけど、ふと横にあったからはいった勝林院は天台宗の極楽浄土らしい、どうりで現実離れした美しさでした。いま思い出しても夢の中か水中にいるみたい。みんなでみた映画ににてるねなんていいながら、写真をとったり笑ったりして。山奥のお寺はとても静かで、雨の音が木々にしみこんで、しとやかでなめらかで美しくて、胸がぎゅっとなりました。宝泉院は雨の匂いに満ち満ちていて、額縁のように切り取られた庭の木々をみながら、赤いカーペットの引かれた畳に正座をして、ただその瞬間を味わいました。なんだろうな、とても言い表せないくらいきれいで、みんなそれぞれいろんなことを思っているのだろうけど、それでもこの時間が続けばいいと願ってたんだろうなと思います。でも、そういうわけにもいかないからなあ。鼻の奥が思わずツーンとなってきたところで、はるかさんが泣いていて、笑いました。その姿すらもきれいでした、彼女はいつもきれいに泣く。

マニーはやっぱり一言一言がおもしろくて、元帥が手を叩いて笑って、遠藤くんはへらへら適当なことをいって、はるかも大声で笑って、ゆすけさんもしつこいくらい笑わせにかかってきて、そんないつもの風景を忘れたくないと思いました。


雨の大魔王のせいで、晴れ女を存分に発揮することは難しかったけれど、そんなに雨に打たれなかったし、雨も楽しめたし、うんよかった。むしろ雨でよかった。彼らの音楽のおかげで、大嫌いな雨をちょっと楽しめるようになりました。
彼らが音楽の話をしてるときは、なんとなく笑ってしまうくらいかっこいいですね。人生をかけて頑張ってほしいけれど、そんなことはいえませんいえる立場じゃありません。ただわたしはいつだって彼らに影響をうけて音楽をしていて、そんな彼らの音楽を心からすきってそれだけです。今週の対バンたのしみ。

帰りのドライブの唐突なコントも、一緒にうたをうたったことも、車に傷をつけてしまったから一万円の修理費ってなったときのあの動揺と結局大丈夫だったときのあの安堵も全部ぜんぶ楽しかったです。

奈良にかえってきてドライブもおしまいというところで、ソラニンが流れてきて、奇跡的なタイミングだって、みんなで大声でうたって、なんというか、うん。よかった。そんな偶然に意味づけしてしまうくらいに、大切な時間をありがとう。いやなことも、悲しいことも、たくさんあったけれど、それ以上に楽しいことがおおきいや。仲良くなれてよかった。また遊ぼうね。






blue rainy day / polkadot