9月3日 午後7時



教習所生活がつづいています。昨日の夜の秘密計画は、わたしの夏と共に消えてしまいました。残念。でも考えている間はとても幸せな気分でした。その想像は、実際の記憶よりも鮮明な記憶となって染み付いてしまいそうで、改めて訝しい気分になったり。


さて、わたしは今京都ファミリーのフードコートに一人いて、うどんをすすっていたわけです。幼少期に水泳教室に通っていた頃もフードコートはあったのだけれど、そのうち潰れて(確か)ゲームセンターなんかがあって、また近年新しく出来たのです。そういえばあのゲームセンターは、本当にあったのだろうか。幼少期の感情と視界を思い出せるけれど、これは本当に記憶なのでしょうかね。さっきみたいな想像よりも、もっと曖昧なこれは、本当にわたしの経験なのか。わからないな、本当になんにもわからない。

それはさておき、フードコートの安っぽい空間には、それなりに人もいて騒がしく、自分が教習のみきわめの学科試験に落ちたこともどうでもよくなりそうです。うそ、悲しい。

その中で、やっぱりどうしても流行ってないお店がひとつ、ふたつ。
フードコートという空間は、よっぽどじゃないかぎり、人気というものは偏るのです。ここでは丸亀製麺が一人勝ち。そのあとを天下一品が辛うじて追ってるくらいで、わたしの目の前にある本格中華福泰厨のおじさんの必死の客引きが悲しく響いてる。
流行る店と流行らない店、どこが違うのかしら。と考える必要のないくらい、歴然とした違い。看板やらなにやら、こだわりから伝わる美味しさに、これほどまでに差がでるのか。思ってるよりもわたしたちは、物事を見た目で判断してる。福泰厨房に見向きもしないで、笑いながら通り過ぎる大学生たちの華やかさと、厨房の中の静けさは、あまりにも悲惨な対比。きっと、このままじゃそのうち潰れてしまう、潰れたらあのおじさんはどうするのだろうか。色んなチラシをたくさん店の前に貼って、少しでも誰かの気を引けるようにって。でもそのセンスも自信もないチラシが、余計に自分の価値を下げているとも気付かないのだ。わたしはこのお店に、厭に共感してさみしい気持ちになったけど、うどんを食べた。そんなもんなんだな。

今日のわたしは、頑張ったくせにみきわめテストに落ちたので、人生に何の成果もだしてないけど、そんな日もあるかなと思いました。待ち受けをとっても美しい人に変えて、アイコンを整理したから、まあそれだけでいいや。帰ったら借りてきた映画をみよう。きれいな人をずっとみてたら、わたしもきれいになれないかなあ、なんてねー。




indigoの 渚にて幻 めちゃくちゃいいから、よかったら誰か聞いてください。